ファッションの事は知らないがニューヨークでは美術館主催のセレブ大集合のパーティがあるらしい.その目的は美術館の資金集め.そう聞くとなんかすげぇ試みだなと思うが, 向こうには服飾部門があるらしくパーティの他にも服飾の企画展示が普通に行われているようだ.
もしかしたら常識なのかもしれないが, この映画はファッション無知の人にもちゃんと理解できるくらい説明が丁寧だった. いや, どちらかと言うとファッションガチ勢ではない人の方が映画の内容が分かりやすかったかもしれない.
本編は服飾部門のキュレーターとファッション誌編集長らが服の展覧会とそのパーティの準備をがんばるという内容である.いろんなところから服を借りたり, 席の割り当てに悩んだり色んな行程が映されていたが, 何より目立っていたのはファッションガチ勢のスタッフとそれ以外の人の温度差だ.
展覧会のテーマは「鏡の中の中国」, 要は映画とかのイメージ上の中国に沿った服を展示するのだが, 美術館の他の部門との協力を仰いだり, 中国の記者の取材を受けたりといったファッション外の人とのシーンは双方の認識のズレが大きく描かれていた.
要は日本で例えるととかなりアレンジされた着物や忍者装束の展覧会みたいなものだと思うが, 中国国民でない私でもかなり"攻めている"発想だと分かった.あのブッダの扱い方は却下されなかったら間違いなく炎上している.そういった部分でもスリルがあって面白かった.もちろん, 彼らはそのような無理解があることをちゃんと客観視できていて, 終盤ではそのことへの回答も用意してある.
こう書くと何か社会的な映画だと思うかもしれないがほとんどはムチャクチャカッコイイ服と、 オシャレな人たちの仕事風景と、何かあの人やたらとテイクアウトのコーヒー飲んでね?感でできている.どんな人でも何らかの知的好奇心が満たされるドキュメンタリーだったと思う.
http://metgala-movie.com/
https://otekomachi.yomiuri.co.jp/enta/20170414-OKT8T07298/
http://www.metmuseum.org/exhibitions/listings/2015/china-through-the-looking-glass
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