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2017年8月21日月曜日

読書「嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え」

あまぞん
青年と哲人の会話でアドラー心理学を伝える内容.
結論から言うと自己啓発書として良くできている.
良くできているので読みやすい.

青年と哲人は極端な存在論者と目的論者でお互いが反論し合う事で話が進む.
青年は哲人に食ってかかるのだがその様子を読むだけでも楽しい.
しかし, そういう展開は一章で終わる.青年はちょろすぎた.
悲しいかな所詮は登場人物はすべてアドラー心理学を分かりやすく伝えるための装置でしか無かった.
ただ, 良くできた自己啓発書なので会話は不愉快にならないように配慮が行き届いている.SNSのレスバトルにありがちな非建設的文章は無い.二人の楽しい会話を延々と楽しもう.
基本的にはノンストレスだったが極端なキャラクターに耐性が無い人や主人公がドヤ顔で説教するような話が嫌な人には向かないだろう.


個人的に最も収穫だったのはこのような対話形式の本があると知った事である.
内容を伝える意図でキャラクターをデザインしているということが分かれば考える切り口も増える.
例えば青年は存在論者の典型として作られたと思うのだが, きっとこの本を読むような層の共感を煽るように設計されているのだろう. 私は全く感情移入できなかったが.
この考えは今読んでいる本についても役立った気がするがそれはおいおい加工.

読書「図解でわかる心理学のすべて」

あまぞん
昔倫理の教科書か資料集かで読んだ内容と重複するような部分が多い.それを読んだことが無かったらそこそこ目新しい内容だと思う.
どちらかと言うとこの本の方が内容が詳しく, 俗な内容も多い.
結局心理学は各々の人生観ありきという印象になったが実際どうなんだろか.

2017年8月9日水曜日

本を読んだ「タロットの秘密 (講談社現代新書)」

 数年前,タロットに興味を持ったが使ったのは五回もないと思う.
三か月前,歓迎会か何かで幹事が席割りを決めておらずそして出席者が22名だった時はこの時のためにタロットを持ち歩いていたのかと思い幹事に貸したが, まぁ微妙にグダった.カードの大きさの割に数字が小さいので席番号札には適さない.
 こんなことで実感するのもどうかと思うがタロットの知名度はそこまで高くはない.よく回想すれば私もタロットの本を読むまではドラクエⅣか爆ボンバーマンかそこらへん程度の知識しかなかったのでそういう事なんだろう.
 逆に考えれば世の中の所々に浸透していると捉えることもできるが街中の書店ではタロットの入門書はほぼ占いの本である. それらを読めばカードの意味は分かるがその本の筆者や世の中でタロットを出す人たちと根本的な前提を共有できていないようなしこりが出てくる. いや、なぜそのカードを持ち出すんですか、と.流行った経緯も気になるけどどちらかと言えば空気感がまだ何かしっくり来ないんですよ、と.
 そんな声が実際に伝わったのかは分からないが「タロットの秘密 」は「占いをしたい!!!!」という人以外にも間口を広げている. まずタロットカードにときめきを抱く気持ちを伝えてくれたのが助かった.
 本の流れはそこから一旦タロットの起源までさかのぼってから現代までどのように深化し形を変えて一般に広まるようになったのかを丁寧に説明している.この部分も日本にどのように入ってきたのかを経由し最終的にはかなり最近のトピックまで言及しているので初心者でも読みきりやすいストーリーになっている.
 後半の半分くらいはカードの意味や読み取り方の説明をしている.実はかなり前に「タロット―こころの図像学」に手を出していたのだがちょっと長くてちゃんと読めていなかったのだが, それをかなり分かりやすくしたような内容になっていてこちらは最後まで読めた.「図像学」の方も今ならもう少し読めるかもしれない.
 最後の最後の方で占いの例が書いてあるがこの部分はあっさりしている.この本の意図はよくあるタロット入門書では書かれない部分をカバーすることだと思うのでページ数の都合上そこは削らざるを得なかったのだと思う.
 …という風に私はこの本の内容に満足している.しかし,本の表紙(とオビ?)が既存のタロットファン向けである点が少し残念である.確かに歴史的な部分の説明は元からタロットが好きな人も気になる所だったのだと思う.その部分をアピールしておけばタロットファンはこの本を間違いなく買うだろう.
 ただ,タロットと言えば占いという発想すら浮かばない層こそこの本を必要としていると思う.今タロットが好きな人よりこれからタロットを好きになる人の方が間違いなく多い.できればもう少し何も知らない人が手に取るようなそういう仕掛けが合っても良かったんじゃないかなと思う.

本を読んだ「頭がよくなる「図解思考」の技術 (中経出版)」

 買った時の記憶は無いことは多々ある.
 きっと描ける図の種類が増えたら良かろうという思いがあったのだろうが一番大きい動機は十中八九セールがあったからだ.

 箇条書きのメモでは意味が分からなくなりがちだから図で表現したほうが分かりやすいというのが本書で挙げているモチベーションだが,その癖して文章がかったるい.
内容もそこからあまり進まない.あ, この本俺向きじゃない感がじわじわと浮き上がってくる.ところどころ役立つと思う部分があるのがやりきれない.図で書けるようになるには話の内容の学習とパターン化と訓練に頼っているのが悲しい.
 こういうことがあるから電子書籍はガチャガチャの域を出ない.そう思った矢先, 怒涛の展開がやってくる.

 描いた図はパワーポイントを作るときにも流用できますね のコーナー
どうみてもポンチ絵
手書きの線でなんとなくぼやけていたものがOfficeフィルターを通せば強く匂ってくる公的機関のpdf感

 確かに箇条書きよりかは分かりやすいとは思うがメモには変わらないわけでそれをそのままパワポにするのは悪手…

 そう思いつつも残りはおすすめ書籍のコーナーだけだったのでつい読んでしまう.
「アイコンやちょっとしたポンチ絵をさらっと描けるようになりたい人の本」の見出し.
自分で「ポンチ絵」というワードを使ってしまっていた.

 重要なネタバレを書いてしまったのでこれ以上は内容に触れないが伏線とこれ以上のオチは用意されているので気になる人は読んだ方がいい.

 初心者にはもう少し簡単なところから始めた方が適していると思うし, それ以上の人には何か物足りない内容なので結局誰向きなのかは私には分からなかったが,
ただ「ポンチ絵」というワードに特別な感情を抱く人はこの本を楽しめる
このことはかなり自信を持って言える.

2017年7月27日木曜日

本を読んだ-完全教祖マニュアル-(架神恭介 , 辰巳一世 )

一昔前のネットならこの人の文章を一度は読んだことがあると思う.
 よく調べたら本もいくつか出していたのでへぇ~と思っていたが半年前よいこの君主論を読んで発想が面白かったがそれだけだと思いつつも記憶には実用書の棚に入れた.
それでこの前ツイッターにこの本の宣伝があったので何となく買った. kindleの購入ボーダーラインは恐ろしく低い.

 内容はビジネス書みたいな体で宗教の作り方から儲け方までの説明である.要所要所で天下のアップル・トヨタでも~みたいな感じでキリスト教仏教創価学会での例を挙げていてとても面白い.

 きっとラーメンズのコントみたいな世界観の一発ネタのような本だと思うのだが, 軽快な文体で宗教の知識と事業の知識が簡単に学べるのでガチの実用書(入門者向け)として成立している気がする. 読了直後はネタとしか思っていなかったのだが, 今読んでいる鏡リュウジのタロットの本で書いてあるタロット普及の歴史がこの本の内容と一部合致(まぁ魔術結社は宗教と少し違うのだろう)していたので驚きのあまり記録してしまった次第である.

 この本, 完全教祖マニュアルとしか言いようがないのだがタイトルの語感以上の内容があるので注意したほうが良い.

 しいて難を言うとすれば, ネタ本とするのならもう少しおちゃめさが欲しかった, 実用書とするのなら宗教の知識が完全にゼロだったら着いていけない点である. 要するにどんな本と受け止めていいのか分からないのだが, そんなバランス感が丁度いいのかもしれない.

映画を見た-彷徨える河-

わざわざ検索してこの日記に行きつく人はいないと思うし, 絶対他の感想とか見ていると思うがあえて言うと.
かなり面白かった. だけど前情報を調べてたらそこそこ面白い止まりだったかもしれない.
私の場合はたまたま予告編をうっすら見てその後チラシの安齋肇のコメントだけ読んだのでそこまでなら大丈夫だと思う.

ただ, 面白かったと言う気持ちは記録しておきたいので少し行を開けた後色々書こうと思う.そう思ったけど何も知らずにこの分を読んだ人をそそのかしたい気持ちもある.




何も知らない人はこの映画をループものだと思って一回見てみてほしい.






以下,普通の感想.
 そもそも、チラシやパンフレットやホームページに書いてあることなのでネタバレじゃないと思うのだが, この映画は二つの話の断片が交互に流れる. どちらも体調が悪い白人の学者と現地のシャーマンがある植物を探しに河を行く話で時代やイベントの詳細などに違いがあるが大筋ではほとんど同じである. 実際に映画を見た方々, ここまでは合っていますでしょうか?
 
 私は二つの話で眼鏡をかけた白人が老人の白人の若いころと誤解したせいで半分近く時系列が逆転した状態で映画を見てしまったので未だに自信が無い. 異教徒と出会うくだりで石のプレートの破損で間違っていたことに気が付いたのだがその時はとても巧妙な叙述トリックを味わったような気分だった. 登場人物はなんて柔軟な時間の感じ方をしているのか. いや,私が一方的に引っかかっただけだが.

 目に映る映像は白黒で時間の流れもつぎはぎで全くもって私の直感からズレているのだが別生物の感覚をダイレクトに注入されているように感じた.主人公のシャーマンは私と同じ人間のはずなのだが. そういえば彼は記憶を失っていたのだった(非ネタバレ事項). 空になったシャーマンは過去を思い出して初めて今を認識できていたとすればあのシーンの順番も納得がいく.おそらく順番の問題は小さい. 今のところはそういうことにしておく.

 結局私の勘違いに基づく世界観のインパクトが強く作品が何か伝えたいとしたらその何かはあまり良く分からなかったのだが, もちろん物語も成立している. 私の思ったまま説明すると, 本作はループものである. 良い終わり方と悪い終わり方, 前の周回のできごとの清算を経てシャーマンと白人学者はなんかどうにかなるのだ.

 もう一回言う. この映画はループものである.
 

映画関係者の解説とかあったら見てみたいけど絶対自分の解釈間違ってるんだろうなぁ…
来週記憶媒体でリリースされるからもう一回見てみたい気もする.

https://www.amazon.co.jp/dp/B0718YNPV2

 

2017年7月26日水曜日

映画みた-メットガラ ドレスをまとった美術館-

 ファッションの事は知らないがニューヨークでは美術館主催のセレブ大集合のパーティがあるらしい.その目的は美術館の資金集め.そう聞くとなんかすげぇ試みだなと思うが, 向こうには服飾部門があるらしくパーティの他にも服飾の企画展示が普通に行われているようだ.

 もしかしたら常識なのかもしれないが, この映画はファッション無知の人にもちゃんと理解できるくらい説明が丁寧だった. いや, どちらかと言うとファッションガチ勢ではない人の方が映画の内容が分かりやすかったかもしれない.

 本編は服飾部門のキュレーターとファッション誌編集長らが服の展覧会とそのパーティの準備をがんばるという内容である.いろんなところから服を借りたり, 席の割り当てに悩んだり色んな行程が映されていたが, 何より目立っていたのはファッションガチ勢のスタッフとそれ以外の人の温度差だ. 

 展覧会のテーマは「鏡の中の中国」, 要は映画とかのイメージ上の中国に沿った服を展示するのだが, 美術館の他の部門との協力を仰いだり, 中国の記者の取材を受けたりといったファッション外の人とのシーンは双方の認識のズレが大きく描かれていた.

 要は日本で例えるととかなりアレンジされた着物や忍者装束の展覧会みたいなものだと思うが, 中国国民でない私でもかなり"攻めている"発想だと分かった.あのブッダの扱い方は却下されなかったら間違いなく炎上している.そういった部分でもスリルがあって面白かった.もちろん, 彼らはそのような無理解があることをちゃんと客観視できていて, 終盤ではそのことへの回答も用意してある.

 こう書くと何か社会的な映画だと思うかもしれないがほとんどはムチャクチャカッコイイ服と、 オシャレな人たちの仕事風景と、何かあの人やたらとテイクアウトのコーヒー飲んでね?感でできている.どんな人でも何らかの知的好奇心が満たされるドキュメンタリーだったと思う.
 

http://metgala-movie.com/
https://otekomachi.yomiuri.co.jp/enta/20170414-OKT8T07298/
http://www.metmuseum.org/exhibitions/listings/2015/china-through-the-looking-glass